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塔のなかには

浜田市三隅町にある石正美術館。

石本正は、浜田市三隅町に生まれ、生涯の多くを京都で過ごし制作活動をした。石正美術館には約14000展もの石本正の作品が所蔵されている。



石正美術館外観


小さな田舎の教会を思わせるような、塔と中庭のある可愛らしい外観。

塔の中は、一般公開用のスペースではないが、希望すれば学芸員が案内してくださると案内があり、早速に申し込んだ。


学芸員とともに塔へと向かった。

こじんまりと小さな塔。

塔の中には螺旋階段があった。

鉄製の無機質なもので、この塔は機械室になっている。


コンクリートで四方を囲まれた壁。小さな窓から陽射しがこぼれる。

学芸員に案内され、螺旋階段を登る。

ちいさな直径の円。くるくる目が回りそう。


息が上がり始めるか、というところで上に辿りついた。

塔の中が、壁画と天井絵に包まれた。

藤の花や枝葉、そこから垣間見える木漏れ日が描かれている。


天井画をこの美術館に描くことは、石本正の兼ねてからの願いであった。ようやく許可がおりた時、95歳と高齢の石本正は螺旋階段を登っての作業が出来なかった。

代わりに石本正の下絵をもとに、彼の教え子をはじめ地域の方、約860名近くによって描かれたという。

子どもからおばあちゃんまで。きっと胸を高鳴らせすこし緊張しながら。

手作り感が伝わってきた。あたたかみがあり、重なりがあった。

そして、ひっそりとそこに在る。

朽ちるまでそこに在り続けるのだろう。


最後に、たった一人の見物客のために、石本正の生涯や天井画への想い、エピソードをお話ししてくださった学芸員さんと、美術館の草の根活動に感謝したい。


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